過去から今日、今日から未来へ先人が残した言葉を贈ろう。 異なる文化と歴史の中で人類を繋ぎ続けた言霊のリース。 幾多の時代を超えて、ひとつずつ解き放つ。
 
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コトダマピース 6詩*『あなたは弱くない』
2007-10-29 Mon 23:36
『あなたは弱くない』

生きていれば、悩み落ち込む時は必ず訪れます。
だけどそれはあなたが弱いからではありません。
問題に対処するノウハウを知らない、
ただ世間知らずなだけ。
人生経験が乏しくて、比べるものを何も持っていないから悩むのです。
地球上のさまざまな知識を得る努力をすること。
360度の中の1度の幅の中で考えても
答えなんて出ないのですから。

やりたい仕事につけたから、あとは平和で幸せな日々が続くなんて大間違い。
それはどんな仕事でも一緒です。
何かを一つ得て喜んだら、それに匹敵する苦しみや悲しみがあります。
そこから逃げ出したらどうなるか。
ずっと横ばいで成長しない人間になってしまいます。
人間の足は、カニの足とは違います。
横ばいではなく、前に進むためにあるのです。

                     【 美輪明宏~愛の話 幸福の話~ 】


 今更この方については、なんの説明もいらないだろう。なんといっても、美輪さんである。
この度、初めて今なお生存する方を選ばせていただいた。
しかし、美輪さん自身は輪廻転生を繰り返し、この世に2000年も生きていると豪語している限り、もはや並の人間ではない。
もし本当ならば、キリストやブッダと匹敵するほどの歴史を背負っている、と判断してもおかしくないくらいだ。

正直なところ、美輪氏に関しては、以前はさほど興味はなかった。
だが、そんな私に美輪氏を薦めてくれたのは、ある人物のおかげである。

私はその恩人を「キザ男」と呼んでいた。厳密に言えば、私ではなくて「私達」なのだが。
今は懐かしき学生時代、誰が呼び始めたか、出会った頃にはもうすでにこのニックネームがついていた。
理由は、頭が良くて男前で結構モテる方なのに、いつも小難しい本を読んでいて、理論武装上等の、ムカつくくらいひねくれた皮肉屋だったからだ。私達がワイワイ騒いでいる傍らで、その様子を微笑みながら、静かにドイツ語の教科書を開いているその様は、まるで昭和か大正時代の文学青年風だった。実際、古臭い純文学にかぶれたインテリで、事あるごとに「君達は本当に馬鹿だね」と口癖のように吐くくせに、何故かいつもグループの中にいて行動を共にしていた。本当はただの寂しがり屋なんじゃねーか、と知りつつ、そんなキザ男が可愛かった。
その上、普段はクールな理性の下に隠してあえて見せないようにしているが、実際はすごく仲間想いで、熱いハートの持ち主だったことも憎めない原因の一つでもある。
おまけに、恋愛も人妻だったり、ストーカー女だったり、毎度毎度ややこしい状態に陥っていて、(それでも彼はいつも理屈をこねて飄々としているのだけれど)それがまた日々の面白いネタの餌食になるのである。
そんな彼と、ある日二人で学食を食べていた時だったと思う。いつも皆で集合する場所にはまだ誰も来てなくて、待つ間、色んな話をした。私達は普段からお互い対極の位置にいるね、と認め合っていた。
つまり、キザ男は「まず全てが理性ありきで、感情をも理性でコントロールできる人間」であり、私はというと「放っておくと感情をコントロールできないため、それを抑えるために、理性で防波堤を作っている人間」なのである。
本来、キザ男は理性型、私は感情型というわけだ。言い当てて妙、という感じだと二人して笑った。
そして、その時、私の恋愛話になって、いつものようにキザ男は親身になって聞いてくれていた。ああだこうだと貴重なアドバイスをくれる。だが、助言は少し空振りしている感があって、最後には二人でう~んとうなってしまった。それでも、私はただ聞いてくれているだけで満足していたのだけれど、キザ男はなにやら思うところがあったらしい。
次の日、私に本を貸してくれた。しかも、ここの部分を読めとばかりに、相当するページにはご丁寧にフセンを貼ってくれてある。
キザ男に代わって、愛の助言をバトンタッチしたのは美輪氏だった。
私は思わず笑ってしまった。キザなキザ男でも美輪さんの本を読むんだな~と。
ずいぶんとロマンチックなところがあるじゃないか。

しかし、試しに読んでみると、さすがに薦められただけのことはあった。
なんだかすごく表現しがたい深みがある。
男性でも女性でもない人間の、極めてボーダレスな含蓄ある言葉。
観音様には「性」がないというけれど、まさにそういう視点からこの世を見つめていらっしゃるのか?


あれから何年も立って、書店で美輪氏の著書を見るたび、キザ男を思い出す。
今は学校の教師になって、ついこの間結婚した。しかも相手はPTAがらみの元人妻・・・
相変わらず、全然シャレになっていない。


ここに紹介した言葉は、以前キザ男に借りた本ではないが、この本の中でもう一つ興味深い教えを目にした。

それは及川光博との対談の中にあった。
役者としてどう自分を表現していけばいいのかと、ミッチーが美輪氏に尋ねたところ、
「あなたには両親がいるでしょう?両親それぞれにも両親がいる。これで、あなたの先祖は6人ね。そうやって3代、4代とずっと先祖をさかのぼって書き出してごらんなさい。画用紙の上に、何百、何千ってびっくりするくらいの人間が現れるのよ。及川光博という一人の人間の体には、これらの人たちから受け継いだ素質や才能や想いがぎっしり詰まっているの。さまざまな種類の人間の可能性をひとりで持っているってことなの。
だから、役者という仕事なら、何千兆の細胞の中から、あなたが演じたい人物を構成するために、ほんの何人かをチョイスすればいいの。
ありもしない人物を演じるんじゃなくて、みんな自分の中にいるのよ。その中の何人か分を呼び出すだけ。
つまり、自分を否定してしまいそうな時、好きになれない時、体内にはほかにもっと素敵な人間がいるって考えればいいの。そして、その可能性を引き出すのよ。」

なんというスケールのでかい話だ。
ミッチーもびっくりしていたが、私も驚いた。

これって、なんだか前回の靖国神社の話につながってないか?
親を想うことで、先祖につながっていく。そして、私の生命は子孫へと受け継がれていき・・・
役者というジャンルに限らず、美輪氏が唱えるこの構造はきっと私達にも当てはまるはずだ。
私達の中にも沢山の人物や想いがつまっていて、四次元ポケットのように望めばいつでも出し入れできる。
しかし、ただ闇雲に取り出そうとするだけではダメなんだと思う。
大切なのは、自分の中にいる複数の想いと心や魂を通じ合わせなければならないということ。
本気で必要としているのかどうか、変わろうとする強い意志があるのかどうか。
自分に少しでも嘘をついていたら、ただちに消えてしまう。
それほど繊細で、純粋な正直さを求められる代物。
TVのチャンネルを合わすように、簡単に見たい画面は出てこない。
なまじっか会いたいと願っても、自分の中にいる人が答えようとしない限り、会いにきてくれない場合だってある。
それは靖国神社で知った。
いや、もっと色んな場面においても、日々学ばされることが多い。
そう謙虚に思えるようになったから、見え始めたんだろうか?
目でとらえるだけがこの世界の常識ではない、肌で感じる絆というものを。


「だから、あなたはそこに呼ばれたんです。」

まるで、勝ち誇ったかのように美輪さんの声が頭の中で響いてくる。
生き仏ですか、あなたは。


自分の中で何気なくつかんだものも、実はどこかの入り口や出口につながっていて、私達はその間を知らず知らずループしている。
広すぎて眩暈がするほど、測りしれないこの宇宙の中を。

私やあなたの想いもきっと、銀河のどこかで出逢い別れて、またばったり出くわして。
そうして共に旅を続けるのでしょう。
1万光年の夢を無限のポケットに敷きつめて。







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